横浜市の試験には東電、東ガスのほか、東芝、パナソニック、アクセンチュア、日産自動車などが参画。「みなとみらい」「港北ニュータウン」「金沢グリーンバレー」の3地区で、計約4000世帯の一般家庭やオフィスビルなどが参加する。
3地区で合計2万7000キロワットの太陽光など自然エネルギーや燃料電池などを導入。スマートメーターと呼ばれる双方向で通信できる電力検針機器や蓄電池などを導入して家庭やオフィスビルなどの電力使用状況を把握した上で、需要予測と電圧の最適制御を自動的に行えるようにする。「地産地消」型の分散型電源と既存電力網を共存させることで、先行する米国とは違う日本版技術と位置づけている。
また、約2000台の電気自動車(EV)を配備。EV用には高速充電器のほか、太陽光発電でまかなえる次世代ガソリンスタンドも整備し、新たなサービスやライフスタイルも提案する。
横浜市によると、街ぐるみで電気や熱、自然エネルギーを融通することで2025年までに3割の省エネと二酸化炭素(CO2)削減を目指す。工場や商業施設ごとに省エネを進めるよりも削減効果が期待できるためだ。
けいはんな学研都市では関西電力や大阪ガスなど、愛知県豊田市では中部電力や東邦ガス、トヨタなどが参加して実験。北九州市でも同様の展開を計画している。
電力とガス業界はこれまで、家庭や工場向けの熱源獲得をめぐって競争してきたが、今回は両業界が手を組めば「熱と電気を融通しあえる」(大ガスの尾崎裕社長)ほか、「大規模な温室効果ガスの削減につながる」(東電幹部)と判断し、同じ試験に参加することにした。
スマートグリッドの実証試験はこれまで、沖縄県宮古島などの離島や小規模なものにとどまっていた。今月6日には省エネ技術を活用したインフラの海外受注獲得に向けて官民一体で取り組む官民協議会「スマートコミュニティ・アライアンス」が設立されたばかり。日本版スマートグリッドも先進技術として世界へ売り込みたい考えだ。
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